Monday, August 9, 2021

ユージーン・サンドウ

先日プロジェクト・グーテンバークによって Eugen Sandow の Strength and How to Obtain it が電子化され公開された。ユージーン・サンドウは筋トレをしている人なら聞いたことがあると思う。十九世紀の後半に活躍したボディビルダーである。プロイセン生まれだから、彼の名前はオイゲン・ザンドウと呼ぶのが正確なのかもしれない。いまあるボディビル・コンテストは彼が創始したものだ。

しかし彼が本を残しているとは知らなかった。内容は二部構成になっていて、最初はトレーニングに関するもの、後半はサンドウの生い立ちを語ったものとなっている。写真が何葉も差し挟まれていて、男の裸を見るのが好きな筋トレファンにはそれだけでも興味深いだろう。サンドウの写真を二葉ほど掲げておく。




栄養学もいまほど発達しておらず、訓練の器具もろくなものがなかったあの当時に、よくまあこれだけ立派な肉体を作り上げたものだ。ステロイドばやりの昨今、こういう「自然」な肉体を見るとなぜかほっとする。

ジュリアン・マクラーレン・ロス「四十年代回想録」

ジュリアン・マクラーレン=ロス(1912-1964)はボヘミアン的な生活を送っていたことで有名な、ロンドン生まれの小説家、脚本家である。ボヘミアンというのは、まあ、まともな社会生活に適合できないはみ出し者、くらいの意味である。ロンドンでもパリでもそうだが、芸術家でボヘミアンという...