Monday, February 14, 2022

DuMont's kriminal-Bibliothek

ドイツの出版社 DuMont Buchverlag が出したジョゼフィン・テイの「フランチャイズ事件」(ドイツ語のタイトルは Die Verfolgte Unschuld)を手に入れたので見ていたら、巻末に DuMont 社のミステリシリーズの紹介がついていた。1001番から1026番までリストがあるので、それをここに紹介しておく。


Band 1001 Charlotte MacLeod <b>»Schlaf in himmlischer Ruh’«</b>

Band 1002 John Dickson Carr <b>Tod im Hexenwinkel</b>

Band 1003 Phoebe Atwood Taylor <b>Kraft seines Wortes</b>

Band 1004 Mary Roberts Rinehart <b>Die Wendeltreppe</b>

Band 1005 Hampton Stone <b>Tod am Ententeich</b>

Band 1006 S.S. van Dine <b>Der Mordfall Bischof</b>

Band 1007 Charlotte MacLeod <b>»... freu dich des Lebens«</b>

Band 1008 Ellery Queen <b>Der mysteriöse Zylinder</b>

Band 1009 Henry Fitzgerald Heard <b>Die Honigfalle</b>

Band 1010 Phoebe Atwood Taylor <b>Ein Jegliches hat seine Zeit</b>

Band 1011 Mary Roberts Rinehart <b>Der große Fehler</b>

Band 1012 Charlotte MacLeod <b>Die Familiengruft</b>

Band 1013 Josephine Tey <b>Der singende Sand</b>

Band 1014 John Dickson Carr <b>Der Tote im Tower</b>

Band 1015 Gypsy Rose Lee <b>Der Variete-Mörder</b>

Band 1016 Anne Perry <b>Der Würger von der Cater Street</b>

Band 1017 Ellery Queen <b>Sherlock Holmes und Jack the Ripper</b>

Band 1018 John Dickson Carr Die schottische Selbstmord-Serie

Band 1019 Charlotte MacLeod <b>»Über Stock und Runenstein«</b>

Band 1020 Mary Roberts Rinehart <b>Das Album</b>

Band 1021 Phoebe Atwood Taylor <b>Wie ein Stich durchs Herz</b>

Band 1022 Charlotte MacLeod <b>Der Rauchsalon</b>

Band 1023 Henry Fitzgerald Heard <b>Anlage: Freiumschlag</b>

Band 1024 C. W. Grafton <b>Das Wasser löscht das Feuer nicht</b>

Band 1025 Anne Perry <b>Callander Square</b>

Band 1026 Josephine Tey <b>Die verfolgte Unschuld</b>


英米の作家が並んでいる。タイトルは見てすぐに原作がわかるものもあれば、ドイツ人受けするように変えてあるものもある。ジョン・ディクソン・カーやエラリー・クイーン、メアリ・ロバーツ・ラインハルト。ジプシー・ローズ・リーなんてちょっとなつかしい。が、たぶん日本であまり馴染みのないのが Phoebe Atwood Taylor と Henry Fitzgerald Heard と Hampton Stone だろう。

最初のフィービ・アトウッド・テイラーは、Asey Mayo という元冒険家が活躍するシリーズ(日本語には「ケープコッドの悲劇」という長編が翻訳されている)と、Leonidasu Witherall という学校の先生が活躍するコミックなシリーズで有名な作家である。

二人目のヘンリー・フィッツジェラルド・ハードもあまり日本語訳がない(「蜜の味」というのが出ているようだ)。私も「黒い狐」というオカルト小説しか読んだことがない。「ドッペルゲンガー」というディストピア小説はアンソニー・バウチャーが賞めていたからいつか目を通そうと思っているけど。

三人目のハンプトン・ストーンは、アメリカ人作家 Aaron Marc Stein の別名。彼は George Bagby という名前を使うこともあったようだ。この人は百冊以上のミステリを書き、MWAからグランドマスターの称号を得ている。私はまだ読んだことがない。

こういうリストは非常に面白い。国によって人気作家が異なるからである。たとえばフランスなどはノワール系の作家が非常によく読まれる。英米では絶版となっていても、フランスでは翻訳でよく読まれている、なんてこともしょっちゅうだ。そういえば昔「新幹線大爆破」という邦画があった。あれはノワールを取り入れた作品で、フランスでは非常にうけていた。

英語読解のヒント(145)

145. 付帯状況の with 基本表現と解説 He was sitting, book in hand, at an open window. 「彼は本を手にして開いた窓際に座っていた」 book in hand は with a book in his hand の...