フィリス・ポール「見えない闇」(インターネット・アーカイヴ)
Phyllis Paul を知っている人は読書家と言うより、ほとんどマニアだろうと思う。スリラーや超自然的な要素を持ちこんだ、暗い小説を書いた人らしい。ヘンリー・ジェイムズの作品に譬えている人もいたので、わたしは興味があったのだが、いかんせん本が手に入らない。インターネット・アーカイブから「見えない闇」が出たのは、わたしにとっては大事件だ。
ヘンリー=ラッセル・ヒッチコック「十九世紀および二十世紀の建築」(プロジェクト・グーテンバーク)
これはペリカン叢書の一冊だ。ペリカン叢書が電子化されるのはこれが初めてではないはずだが、それでも珍しい。わたしは建築そのものには興味はないのだが、小説にはよく変わった様式の建築物が出てくる。その構造が小説のテーマと深く関わるケースがよくあるので、通り一遍程度の知識は身につけておきたいと思っている。
H. H. バッシュフォード「霧の向こうで」
これはまだ電子化されていない本だが、Lynn Brock の The Kink (出版社はハーパー、出版年は1927年)を読んだとき、本文の後ろの出版物案内に出ていて、興味を惹かれた作品だ。紹介文はこうなっている。
From the moment when two young Englishmen hear through the dense sea fog the S O S sounded on a motor horn, "Behind the Fog" moves along at a breathless pace. Mr. Bashford is well known as a writer of distinguished fiction, and this book is distinctly his best effort.
これを見る限り、サスペンスの要素をもった作品のようだ。これは読んでみたい。Bashford は Augustus Carp, ESQ. というコミック小説の大傑作で知られているので、まさか冒険小説を書いているとは思わなかった。しかしこれは面白そうだ。