Monday, February 5, 2024

英語読解のヒント(97)

97. at a respectful / safe distance

基本表現と解説
  • She always keeps him at a respectful distance. 「彼女はいつも彼を敬遠している」
  • She always follows him at a respectful distance. 「彼女はいつも敬意を表して離れてついて行く」

distance は物理的な距離だけでなく、遠慮・敬意・疎遠・忌避などの抽象的な意味での「距離」になることもある。

例文1

The beautiful woman is to be admired at a respectful distance, like the Venus of Milo in the Louvre, who is seen at her best from the beginning of the suite of rooms at the end of which she stands in all her unapproachable, majestic beauty.

Max O'Rell, Between Ourselves

美人は、ルーブル美術館に展示されているミロのビーナスのように、遠くから恭しく拝むべきものである。ミロのビーナスは近づきがたい厳かな美に包まれて続き部屋のいちばん奥に立っているのを、入口の所から眺めるのがもっともよい。

例文2

He treats her coolly, patronizingly, and keeps her at a respectful distance, lest she should take liberties with him.

Max O'Rell, Rambles in Womanland

彼は彼女によそよそしく、横柄に接し、彼女がなれなれしい態度を取らないよう敬して遠ざけておく。

 ここでいう「彼」は夫であり、「彼女」はその妻である。ヴィクトリア朝時代の夫婦関係を描いた一節から。

例文3

“Take my word for it, Laura, that man knows something of Sir Percival’s embarrassments,” I said, as we returned the Count’s salutation from a safe distance.

Wilkie Collins, The Woman in White

「信じて、ローラ。あの方はサー・パーシヴァルのお困りごとについてなにか知っているのよ」伯爵の挨拶にたいして、話し声の届かない安全な距離から返礼しながら、わたしは言った。

E.C.R.ロラック「作者の死」

ヴィヴィアン・レストレンジは超売れっ子のミステリ作家である。この作家は人嫌いなのかなんなのか、けっして社交の場には出て来ない。覆面作家という言い方があるが、この人の場合は覆面もなにも、とにかく人には会わない。出版社の人々にすら会わないのだ。あるとき編集者からパーティーに呼ばれたが...