Sunday, September 14, 2025

関口存男「新ドイツ語大講座 下」(12)

§12.alle
(すべての)
beide
(両方の)
viele, manche
(多くの)
wenige
(少数の)
einige
(若干の)
andere
(他の)

 これらの後を定語尾属(すなわち、冠詞や dieser, jener など)と見なすべきか、あるいは不定語尾属(前に立つ定語尾属の如何によって格語尾の変わるもの、すなわち形容詞)として扱うかは一定していません。

 まず alle ですが、これは全然定語尾属として扱います。すなわち定冠詞と同じ扱いで、その次にくる形容詞は各格とも弱語尾です:

1. alle guten Dingeすべての良き物事は
2. aller guten Dingeすべての良き物事の
3. allen guten Dingenすべての良き物事に
4. alle guten Dingeすべての良き物事を

 ただし、「すべての私の仲間たち」は alle meine Kameraden です。なぜかといえば、meine は語尾の一定した冠詞類(すなわち定語尾属)で、つまり alle と同じ部類のものだから同語尾になるわけです。

 ところが beide となると、定語尾扱いにしたり(beide angrenzenden Staaten 両隣接国家)、あるいは形容詞扱いにしたり(beide angrenzende Staaten)します。(manche も同様。)

 einige, wenige, viele, andere は、二格以外は必ず形容詞扱いにします。

1. andere gute Dinge
2. anderer guter (または guten) Dinge
3. anderen guten Dingen
4. andere gute Dinge

 この例にならって、zwei, drei にも語尾をつけることがあります。それは主として二格です:Sie ist Mutter zweiter gesunder (または gesunden) Knaben.(彼女は二人の健康な男の子の母である。)

§12. angrenzend: 境を接した、隣接の。

アリス・ジョリー「マッチ箱の少女」

この本はまだ読んでいない。ただ数日前に作者がガーディアン紙に新作「マッチ箱の少女」に関する一文を寄稿していて、それが面白かったのでさっそく注文した。寄稿された記事のタイトルは「自閉症に関する彼の研究は思いやりに溢れていた――ハンス・アスペルガーはいかにしてナチスに協力したか」( ...