Monday, July 20, 2026

今月の注目作

 The Great Illusion by Norman Angell

Standard EBook


戦争の無意味さを説いた本として有名。今風に言えば、戦争にかかる費用と、戦争から得られる利益を比較すれば、戦争なんてコスパが悪いという論旨だ。同時に作者はどんな国家も国際関係のなかで存在していることを強調する。今の日本がどれだけコスパの悪い軍備拡張を行っていることか、そして日本が国際ネットワークの中で生かされていることをどれだけ忘却していることか。


The Monster of Grammont by George Goodchild

Project Gutenberg


グッドチャイルド (1888-1969)は生前は人気のあった娯楽小説の書き手。ミステリが専門だがSFも書いた。イギリス人二人がフランスを旅しているとき、たまたまグラモントと呼ばれるお城に泊まったのだが、そこは化け物が出てきて人を殺すという噂のあるところだった。そして実際に殺人が起きる……。


The Cities under the Sea by Edward Vivian Timms

Fadepage


「オーストラリアの偉大な歴史小説家」と呼ばれるティムズが書いた子供向けのSF小説。サーガッソー海で行方不明になった親戚を探し、親子が冒険の旅に出る。そこで見つけたある島には、海の下へつながる洞窟があり、アトランティス大陸の生き残りがいくつも都市をつくって生きていた……。ティムズの作品は Fadepage に初登場だが、これから増えていってほしい。この人の文章にはほとんど生理的な快感がある。とにかく読みやすく明快だ。


The Forty Days of Musa Dagh by Franz Werfel

Fadepage


「ムサ・ダグの四十日」がついに電子化! トルコが1915年、アルメニア人追放令を出したとき、五千人ほどのアルメニア人住民がムサ・ダグの山に立て籠もり、フランス軍に救出されるまで四十日間トルコ軍の攻撃を耐え忍んだのだが、その史実に基づく小説。ただし今回出たのは英訳版で、凄惨なレイプや虐殺の部分は省かれているらしい。


Emil and the Detectives by Erich Kästner

Project Gutenberg


もう一つドイツ文学からの翻訳書で、ドイツ語を勉強した人なら初級を終えてきっと手にしたであろう児童文学の名作。ドイツ語は文章が長くて複雑でわかりにくいと悪口を言う人がいるが、それはマルクスとかヘーゲルしか読んでないのだろう。本書はイラストも含めてきれいに電子書籍化されている。

今月の注目作

 The Great Illusion by Norman Angell Standard EBook 戦争の無意味さを説いた本として有名。今風に言えば、戦争にかかる費用と、戦争から得られる利益を比較すれば、戦争なんてコスパが悪いという論旨だ。同時に作者はどんな国家も国際関係のな...