Sunday, February 20, 2022

COLLECTION OF ENGLISH IDIOMS

早稲田大學敎授 深澤裕次郎著

應用英文解釋法

東京英文週報社發行


(p. 226-228)


範例

Raleigh, finding his fate inevitable, collected all his courage.

ローリは運命の避け難きを知り渾身の勇を振ひ起せり。


解説

To collect one's courage, strength, energies, etc.

勇氣、力、元氣等を呼び起す、振ひ起す。

To collect

=To summon up, gather and bring into action

呼び起す。振ひ起す。


用例

1.  For a moment she was unable to speak or cry, but at last she collected all her courage and boldly turned round.

 V. Hugo

 暫くの間、女は口もきけず、聲も出せなかつたが、やがて渾身の勇を鼓して大膽に振り向いた。

2.  This respite, which was prolonged, was a sign that the Government was taking its time and collecting its strength.

 V. Hugo

 政府が斯様に悠々として居るのは、これ、政府が徐ろに鋭を養つて居る證據である。

3.  The promise relieved Christie, and rallying his strength he said quietly, "Ralph, I know all about waht ought to be done, for I have read about it in my Natural History book."

 Dean Farrar

 この約束がクリスチを安心せしめた。而して彼は勇を出して靜に云つた、「僕は爲す可き事は皆知つて居る、博物の本でその事を讀んだ事があるから」。

 taking its time ゆるゆるとして居る。

4.  As before, some minutes elapsed ere a reply was made; and  during the interval the dying man seemed to be collecting his energies to speak.

 E. A. Poe

 前の様に數分經つてから返辭をしたが、その數分の中に瀕死の人は物いふ力を振ひ起して居るやうであつた。

5.  On reaching an old chestnut tree, which she knew, she made a longer halt than the others to rest herself thoroughly; and she collected all her strength, took up the bucket again, and began walking courageously.

 V. Hugo

 かねて知つて居る古い栗の木の所に行くと、彼女は今迄よりは長く休んで、すつかり體をやすめ、それから有りつ丈の力を出して、再びバケツを取り上げ、元氣よく歩き出した。

Thursday, February 17, 2022

新刊案内

F・アンスティの「ステラ・メイベリーの告白」をアマゾンから出したのでご報告します。

F・アンスティはヴィクトリア朝の後期、十九世紀の末から二十世紀の初頭に活躍した作家です。そのほとんどはユーモラスな設定の軽い読み物で、とくに「あべこべ」という作品は人気がありました。日本でも男の子と女の子の心が入れ替わるという話がありますが、その原型ともいえる作品で、こちらでは実業家の父親とやんちゃざかりの男の子の心が入れ替わります。

「ステラ・メイベリーの告白」はF・アンスティが書いたホラー小説です。最近ヴァランコートという出版社から再刊され、読書家のあいだではちょっと注目されました。(書評サイトの Goodreads では四点以上の高得点を取っています。)ステラという若い女性が悪霊との闘いを語るのですが、しかしステラはいわゆる「信頼できない語り手」で、悪霊との闘いがほんとうなのか、彼女の妄想なのか、わからないような書き方になっています。ヘンリー・ジェイムズの「ねじの回転」がお好きな方は、ぜひ一度読んでみてください。

Monday, February 14, 2022

DuMont's kriminal-Bibliothek

ドイツの出版社 DuMont Buchverlag が出したジョゼフィン・テイの「フランチャイズ事件」(ドイツ語のタイトルは Die Verfolgte Unschuld)を手に入れたので見ていたら、巻末に DuMont 社のミステリシリーズの紹介がついていた。1001番から1026番までリストがあるので、それをここに紹介しておく。


Band 1001 Charlotte MacLeod <b>»Schlaf in himmlischer Ruh’«</b>

Band 1002 John Dickson Carr <b>Tod im Hexenwinkel</b>

Band 1003 Phoebe Atwood Taylor <b>Kraft seines Wortes</b>

Band 1004 Mary Roberts Rinehart <b>Die Wendeltreppe</b>

Band 1005 Hampton Stone <b>Tod am Ententeich</b>

Band 1006 S.S. van Dine <b>Der Mordfall Bischof</b>

Band 1007 Charlotte MacLeod <b>»... freu dich des Lebens«</b>

Band 1008 Ellery Queen <b>Der mysteriöse Zylinder</b>

Band 1009 Henry Fitzgerald Heard <b>Die Honigfalle</b>

Band 1010 Phoebe Atwood Taylor <b>Ein Jegliches hat seine Zeit</b>

Band 1011 Mary Roberts Rinehart <b>Der große Fehler</b>

Band 1012 Charlotte MacLeod <b>Die Familiengruft</b>

Band 1013 Josephine Tey <b>Der singende Sand</b>

Band 1014 John Dickson Carr <b>Der Tote im Tower</b>

Band 1015 Gypsy Rose Lee <b>Der Variete-Mörder</b>

Band 1016 Anne Perry <b>Der Würger von der Cater Street</b>

Band 1017 Ellery Queen <b>Sherlock Holmes und Jack the Ripper</b>

Band 1018 John Dickson Carr Die schottische Selbstmord-Serie

Band 1019 Charlotte MacLeod <b>»Über Stock und Runenstein«</b>

Band 1020 Mary Roberts Rinehart <b>Das Album</b>

Band 1021 Phoebe Atwood Taylor <b>Wie ein Stich durchs Herz</b>

Band 1022 Charlotte MacLeod <b>Der Rauchsalon</b>

Band 1023 Henry Fitzgerald Heard <b>Anlage: Freiumschlag</b>

Band 1024 C. W. Grafton <b>Das Wasser löscht das Feuer nicht</b>

Band 1025 Anne Perry <b>Callander Square</b>

Band 1026 Josephine Tey <b>Die verfolgte Unschuld</b>


英米の作家が並んでいる。タイトルは見てすぐに原作がわかるものもあれば、ドイツ人受けするように変えてあるものもある。ジョン・ディクソン・カーやエラリー・クイーン、メアリ・ロバーツ・ラインハルト。ジプシー・ローズ・リーなんてちょっとなつかしい。が、たぶん日本であまり馴染みのないのが Phoebe Atwood Taylor と Henry Fitzgerald Heard と Hampton Stone だろう。

最初のフィービ・アトウッド・テイラーは、Asey Mayo という元冒険家が活躍するシリーズ(日本語には「ケープコッドの悲劇」という長編が翻訳されている)と、Leonidasu Witherall という学校の先生が活躍するコミックなシリーズで有名な作家である。

二人目のヘンリー・フィッツジェラルド・ハードもあまり日本語訳がない(「蜜の味」というのが出ているようだ)。私も「黒い狐」というオカルト小説しか読んだことがない。「ドッペルゲンガー」というディストピア小説はアンソニー・バウチャーが賞めていたからいつか目を通そうと思っているけど。

三人目のハンプトン・ストーンは、アメリカ人作家 Aaron Marc Stein の別名。彼は George Bagby という名前を使うこともあったようだ。この人は百冊以上のミステリを書き、MWAからグランドマスターの称号を得ている。私はまだ読んだことがない。

こういうリストは非常に面白い。国によって人気作家が異なるからである。たとえばフランスなどはノワール系の作家が非常によく読まれる。英米では絶版となっていても、フランスでは翻訳でよく読まれている、なんてこともしょっちゅうだ。そういえば昔「新幹線大爆破」という邦画があった。あれはノワールを取り入れた作品で、フランスでは非常にうけていた。

Friday, February 11, 2022

ステファン・ツヴァイクの翻訳

私は映画はほとんど見ないのだが、オリヴィア・ドゥ・ハヴィランドとジョーン・フォンテーヌだけは大好きで、彼らの出演する映画はほとんど観ている。アメリカにいたころ、ブロックバスターでバイトをしていた友人に頼んでマイナーな作品まで捜し出してもらって見た。それでも手に入らない作品がたくさんあったけれど。

フォンテーヌの作品でいちばん気に入っているのはやはり「レベッカ」。次に好きなのは「見知らぬ女からの手紙」である。この可憐な作品は高校生のときに観てから忘れることが出来ない。音声を録音し、夜寝ながらフォンテーヌの声を聞いていた。

「見知らぬ女からの手紙」の原作者はステファン・ツヴァイク。1920年代、30年代に世界中で広く読まれた作家である。話が面白いだけでなく、フロイトと親交があり、精神分析に関心を持っていたという点でも興味深い。しかしわたしがツヴァイクを読むようになった本当の理由は、フォンテーヌの美貌とあのハスキーな声をしのぶよすがになったからではないだろうか。

先日、プロジェクト・グーテンバーグの「新刊」リストを見ていたら、ロマン・ロランの「クレランボー」があった。わたしはフランス語はできないのでそのまま通り過ぎようとしたのだが、ふとドイツ語訳とあるのに気づき、誰が訳したのだろうと気になった。見てみると Berechtigte Übertragung aus dem Französischen von Stefan Zweig と記されているではないか。ツヴァイクはこんな本まで訳していたのか。日本でもそうだけれど、作家の「訳業」は軽視され、よっぽど詳細なものでない限り、ビブリオグラフィーから省かれることが多い。たぶんそのせいか、わたしが迂闊なせいだろう、ツヴァイクがロマン・ロランを訳していたとはまったく識らなかった。

思いも寄らぬこの発見は、見知らぬ女から突然届いた手紙のように、わたしにショックを与えた。この手紙はなんとしても読まなければならない。手紙のなかには(映画のなかで起きるように)人生への態度を根本的に変えてしまうなにかが書かれているかも知れない。そんな予感に取り憑かれたわたしは今、不思議な気分でこの大長編を少しずつ読んでいる。

Tuesday, February 8, 2022

ラルフ・ミルン・ファーリー「私がヒトラーを殺害した」

ファーリー(1887-1963)は面白い経歴の持主だ。ハーバードを出てから数学やエンジニアの教師をしたり、火器の照準システムを開発したり、マサチューセッツの議員になったりしている。議員のときは女性の権利の拡大のために運動をしていたようだ。二つの世界大戦にはさまれた期間、彼はパルプ雑誌に大量の作品を書いている。恐らくいちばん有名なのは The Radio Man のシリーズだろう。時間旅行に関する短編も多数書いていて、The House of Ecstasy (快楽の館)などは日本語でも読めるようだ。しかしファーリーの作品はほとんど未訳のままである。

今回たまたまファーリーの短編 I killed Hitler を読んだ。はっとさせるようなものはなかったけれど、この人の書き方は非常に丁寧で、いわゆる達意の文章だと思った。考え方が論理的なのだろう、文章が頭に良く入ってくるのである。こういう文章は大好きだ。

物語の筋は……。

ヒトラーの遠い従弟にあたる男がアメリカにいた。その名前は独裁者とおなじアドルフ・ヒトラー。もっともアメリカに移住したとき名前は変えたのだけれども。彼は肖像画を描く、あまり売れない画家だった。(ちなみにヒトラーも若い頃は絵を描いていた)

ところがヒトラーがアメリカに宣戦布告したものだから、アメリカの従弟は従軍しなければならなくなった。芸術家であるわたしを兵士にするとはなんということか。この戦争を起こした張本人、ドイツの独裁者など、殺してしまいたい。そう思った彼は、時間をさかのぼって、ヒトラーがまだ少年時代のころに戻り、彼を殺してしまえたら、と夢想する。

その夢を実現できる友人が彼にはいた。インド人の神秘家の友人である。彼は不思議な魔術を使ってヒトラーの従弟を、ヒトラーが十歳だった時代へと送り返す……。

このあとどうなるかは言わないが、まあ、ご想像の通りである。もしかしたらここに「ヒトラーがヒトラーであるために、ヒトラーは殺されなければならないのだ」という哲学的主題を見ることもできるかもしれない。つまりヒトラーがヒトラーであると云う同一性が成立するには、非同一性の契機がそこに含まれなければならないということだ。が、読後感の凡庸さはそこまで考える気にはさせない。たださっきも言ったように、文章は悪くない。この人の作品はもう少し読みあさって見ようと思う。

Saturday, February 5, 2022

ジェイムズ・ハーバートのホラー

1970年代のホラーはとにかく面白い。アメリカからはスティーブン・キングがあらわれ、イギリスからはジェイムズ・ハーバートが出て来た頃である。どちらも New English Library という出版社から本を出した。しかしキングは今でも翻訳が出ているようだが、ハーバートは1990代以降は新作が訳されていないようだ。残念である。

 


ジェイムズ・ハーバートのデビュー作は The Rats で、凶暴化し異常に繁殖した鼠がロンドンを襲うという物語である。あれはカバー・デザインが秀逸で、とにかく目を惹き、物語の内容を予感させる迫力を持っていた。家に帰ってからペーパーバック特有の粗雑な紙をめくると、文章は荒削りだが、エピソディックな物語の展開の仕方が面白くて、一気読みをした覚えがある。あまり面白かったので、以降の作品もすぐ買って読んだ。The Fog も The Survivor もパターン化してきたとはいえ、期待を裏切らなかった。ハーバートの作品をすべて読んだわけではないが、気分転換をしたいときによく彼の作品を取り上げたものだ。彼は2013年に69歳で亡くなっている。

アンドリュー・ネット氏が書いている Pulp Curry というブログにジェイムズ・ハーバートにインタビューしたときの記事が載っていた。(Interview: James Herbert)おもに出版社や編集者との裏話みたいなことが書かれているが、二つほどなるほどと思うことがあった。一つは、ハーバートが作家になる前は広告業界でアート・ディレクターをしていたこと。彼のグラフィックな描写力は美術の専門家だったことから来ているのか。デントン・ウェルチとかウィリアム・S・バロウズなど、画家と文人を兼ねている人の文章はひと味違うところがある。ハーバートもこの手の小説家だったのか。

もう一点は、おそらくハーバートの後期の代表作であろうアッシュ・シリーズがイギリス女王の言葉からヒントを得たものであるということ。エリザベス女王はとある記者会見の席で「この国には暗黒の力が働いているが、そのことをわたしたちは知らない」と云ったらしい。それが物語を発想するきっかけだったのだとハーバートは述べている。なるほど。女王の口から「暗黒の力」なんて言葉を聞いたら、たしかにいろいろな想像が湧いて来る。

アッシュ・シリーズは最初の二作を読んで面白かったので、これを機会に三作目も読んでみようと思う。


Wednesday, February 2, 2022

ゲーム実況者のための英語

ケイティさんの英語は非常に聞き取りやすく、わたしは大ファンである。少し前にコロナに感染し、苦しそうな表情でビデオ報告していたが、もうすっかり完治なさったのだろう、今は元気にスリラーもののゲームの実況をしている。本日のスクリプトには重要表現がいくつも含まれている。

And let's go check it out1.
Okay.
Can I turn off2 the TV from here?
No, I can't.
I'm gonna get electrocuted3 if I come back this way.
How do I get that viewer4 to be electrocuted?
Let's figure it out5.
Why am I talking like this?6
Oh, I'm just gonna take this nice little stool7 over here.
That scared the shit out of me8.
Okay, maybe I'm not supposed to do that9.
Ah...Okay, hold on10.
Maybe I'm supposed to hide...and turn the TV off.
Shit, don't come this way.
I'm scared!
Okay.11

1 check it out は「調べる」。"go check" と動詞が連続しているが、これは "go and check" あるいは "go to find" のこと。口語では Let's go find it out などと and や to-不定詞を省略することが多い。
2 turn off は「(テレビを)消す」。
3 electrocute は「電気椅子で処刑する」「感電死させる」。get electrocuted で「感電死させられる」。
4 that viewer は「あの(テレビを)見ている人」
5 figure it out は「考え出す」「解決策を見出す」。
6 Why am I talking like this? 直前のケイティーさんの声が変化していることに注意。どうやってあの女を感電死させるか、などとよからぬことを考えていたため、つい悪党めいた声が出てしまったのだろう。
7 nice little stool この nice は「ちょうどいい(小ささの)」くらいの意味。
8 That scared the shit out of me はびっくりしたときによく使われる表現。
9 I'm supposed to do... は「……することになっている」「……することが期待されている」という意味。パズル系のゲームを実況する人がよく使う言い廻し。
10 hold on は「待って」。
11 okay という語は、実は okay ではないんだけれども(この場合はミッションが達成できず主人公が死んでしまったけれども)、まあいいや、という感じでよく使われる。

関口存男「新ドイツ語大講座 下」(25)

§25. Es ist aus mit ihm. あいつはもうお仕舞いだ。  「それはあいつと共にお仕舞いだ」が「あいつはもう助からない」、「彼が事既に休す焉」の意になります。この Es は、「現象らしく表現するための非人称主語」で、Es ist aus (万事休す...